未来に向かって 5
夫と知り合いだった人の話によれば、「大目本印刷には、京都製版のような子会社が十ほどあり、これは、儲けの追求と、労働者分断、職場支配の強化を狙って、つぎつぎとセクションごとに分離してつくったもの」だそうです。
「スクラップ・アンド・ビルド政策」と言うそうです。
京都工場の本工は、ピーク時の約千五百人から、いまは七百人ほどに減っています。
会社が不要とみなした労働者は、ただちに子会社へ追いやられ、賃金や労働条件は三、四割ほど切り下げられるのです。
製版技術者だった夫に、物流システムへ行けというのは、会社を辞めろということと同じです。
夫は、大日本印刷の合理化の犠牲者です。
これは、夫だけの問題ではありません。
夫はよくこぼしていました。
「『製版部門はもうからん』とさかんに宣伝し、結局独立採算ということで親会社から切り捨てられた。
新しい機械が入り、わしらのような技術者や熟練工はもういらんのや。
首切りと同じや」と。
京都製版から物流システムに移るときは、ずいぶん悩み、迷っておりました。
物流の仕事は、梱包や包装の作業で常時十数キロもの荷物を持ち運びするのです。
なんというか、仕事をやめて転職するか、望んでいないけれども、会社にい続けるか悩むところですよね。