未来に向かって 2
なにがあったのかしらと、一瞬ドキッとし、胸さわぎがしました。
夫が風邪でもこじらせ、入院したのだろうか。
家に電話をかけましたが、だれも出ません。
少しおいてまた、かけてもつながりません。
一緒に来た会社の人たちは温泉に入りにいかれましたが、私はそれもせず、部屋で息子からの連絡を待ちました。
五時すぎ、やっと「京都からです」と呼び出された電話で、私は信じられない話を聞かされました。
夫が会社で午後の仕事を始めてまもなくふーっと倒れたそうです。
かたわらの課長さんがあわてて抱き止め、横にさせ、すぐに会社の産業医と救急車を呼んだそうです。
しかし、人口呼吸の甲斐なく五分くらいで息を引きとったと言うのです。
あまりに突然のことでなにがなんだか分からず返事も忘れておりました。
が、しばらくしてやっと夫が会社の仕事中に亡くなったことがわかりました。
「お世話になりました」と言うのがやっとでした。
課長さんは、「日ごろから、『中居さん、体は大事にしいや。
無理せんときや』と何度も言っていたのに、こんなことになって……」と言われましたが、なんだか私には言い訳がましく聞こえました。
私はすぐにタクシーに飛び乗り、JRに乗りついで家へもどりました。
よりにもよってこんな時に倒れるなんて…という感じですよね。